お知らせ

2017年8月29日

ペットと感染症

近年およそ3割の世帯がペットを飼っていると言われています。2017.9 HP
同じ部屋で食事を摂ったり、一緒に寝たりと「人」ではなくとも
「家族」として生活している方も少なくないのではないでしょう
か。しかし飼育数の増加に伴い、人とペットの距離が近くなって
動物由来感染症(ズーノーシス)と呼ばれる感染症も増えてしまい
ました。動物からの「感染症」と聞くと、狂犬病や、多くの
畜産関係者も被害を受けた鳥インフルエンザなどは有名ですね。
今回は身近な感染症をいくつか紹介します。

・オウム病(主に鳥類から感染)※稀に爬虫類、両生類、魚介類を介することもある。
感染経路:乾燥した羽毛や排泄物からの飛沫(空気)感染。
主な症状:[動物]消化器、呼吸器異常。
     [人]高熱、血痰、咳、風邪・インフルエンザ様症状。
・エキノコックス症(狐、犬、猫)※近年北海道以外に本州でも確認されている。
感染経路:糞中の寄生虫卵が水に流され、手や食品に付着して口から感染。
主な症状:[動物]ほぼ無症状。
     [人]5~10年ほど潜伏して腹痛、肝肥大、肝機能障害を起こす。
     ※放置すると大変危険な感染症なので、疑わしい場合は必ず受診すべき。
・フィラリア症(犬、猫、フェレットなど)
感染経路:蚊による吸血。
主な症状:[動物]血液・免疫障害、肝肥大、腎炎など
     [人]無症状であることが多い。咳や喀血、呼吸器症状。

今回紹介した感染症はほんの一部です。同じ感染症でも人と動物でまるで別の症状の
ようですね。感染は動物から人だけではなく、人から動物にうつることもあり得ます。
どれだけ大切な存在でも人とペットは異なる生き物です。正しい知識を持ち、
ペットには規定されている予防接種をきちんと受けさせ、人は動物と触れ合ったら
しっかり手を洗うなど、感染予防に注意をはらう事が人と動物が双方健康に
共に暮らしていく上で大切な事です。
特に乳児や高齢者は免疫力が弱いことが多く、感染症にかかりやすいため予防がとても
大切です。重症化させないために異常を感じた際は早期の受診をお勧めします。

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